VALEURスタッフを交えたトークセッション。

今回はディレクター・ストアマネージャーの二人に、VALEURのルーツやこだわり、また新たにオープンした二子玉川店について詳しく話してもらいました。

ぜひご覧ください。




―VALEUR立ち上げから1年半たちましたが、改めてVALEURのルーツを教えてください。

後藤:はい。まず当時から自社の強みとして感じたのは、優秀なバイヤーが在籍し、仕入れ機能がかなり充実していること。そのため、店舗づくりにおいて最も重要な商品構成に関しては、絶対的な自信がありました。

それを前提にお話しすると、僕はラグジュアリーセレクトショップを始めとしたファッション業界で人生の大半のキャリアを積んでおり、リユース業界での経験はほとんどありませんでした。
だからこそ、業界の常識にとらわれず、少し俯瞰した視点で見ることができた部分もあったと思います。

実際に感じたのは、リユース業界には「モノ」への愛着やこだわりがとても強く根付いているということ。
一方で、ファッション業界は、「モノ」の見せ方や世界観、ストーリーのつくり方に強いこだわりがあるということです。

商品構成に大きな強みがあるからこそ、リユース業界が持つ「モノへのこだわり」と、ファッション業界が培ってきた「モノの魅せ方」を掛け合わせれば、お客様にとってこれまでにない魅力を持った事業がつくれるのではないか。

そんな可能性を感じたことが、この事業に取り組む最初のきっかけでした。


―ありがとうございます。遠藤さんはいかがでしょうか。

遠藤:僕にとってVALEURのルーツにあるのは、「純粋な価値を届けたい」という思いです。
「由緒ある価値を日常に」というコンセプトでスタートした事業ですが、これは単純に「ブランド品を普段使いしてもらいたい」という意味ではありません。

そのブランドが持つアイデンティティや、長い歴史の中で築いてきたストーリーをきちんと理解したうえで、それを現代の「ファッション」としてどうフィットさせるのか。そして、その魅力をお客様にきちんと伝えられるお店を作りたい。
これが、VALEURを始めた当初からの思いでした。

僕たちは長年アパレルの仕事に携わってきたので、もし「オシャレなブランドヴィンテージショップ」があればこれまでのキャリアで培ってきた「オシャレセンサー」が反応するはずなんですが(笑)、実際には、そういうお店があまりありませんでした。

だったら自分たちがカッコいいと思えるお店を作ろう。
それもただブランド品を並べるだけではなく、ブランドの背景や価値を理解したうえで、ファッションとして楽しんでもらえるお店を作ろう。
それがVALEURを立ち上げる大きなきっかけになりました。


―おふたりとも共通して“アパレル業界での経験”が、VALEUR立ち上げへの軸となっているんですね。

7月には2店舗目となる二子玉川店がオープンしましたが、店舗のこだわりや魅力をぜひ教えてください。

後藤:実は二子玉川は、1店舗目を出店する場所として当初から考えていたロケーションでした。それはVALEURのブランディングを考えたときに、この街との高い親和性を感じていたからです。  

こだわりの部分としては、あくまで僕自身の印象ではありますが、二子玉川は「上質な日常」を大切にしている街だと感じています。だからこそ気軽に立ち寄りやすく、
それでいてブランドの世界観をしっかりと感じられる店舗づくりを何よりも大切にしました。

特に、高島屋をはじめとした商業施設を中心に人の流れが生まれる街だからこそ、VALEUR二子玉川店のような路面店はここの表現はとても重要と考えています。  

 商品構成についても、感度の高いお客様が多いエリアであることを想定し、Cartierを軸に据えながらHermèsのラインナップを特に充実させました。

 定番のアイテムはもちろん、VALEURらしい視点でセレクトしたこだわりのアイテムまで揃え、自分たちらしい商品構成に仕上がったと感じています。


―表参道店とはまた違った、二子玉川ならではの商品ラインナップになっているんですね。

ストアマネージャーとして日々店頭に立っている遠藤さんはどのように感じていますか?

遠藤:VALEURのスタートは表参道でしたが、表参道と二子玉川では明らかに違う点があります。

それは、表参道は多くの方にとって「お出かけする場所」というイメージがあり、少し気合を入れて準備をして歩く街。二子玉川は、近隣にお住まいの方が地元のように気軽に歩ける街だということです。

そのため二子玉川店のこだわりとしては、“いかにくつろげるお店にするか”ということを大切にして設計しました。

ホテルの一室のような空間をイメージし、「リラックス」をテーマに、店内の色調やゆったりと座れるソファなども設置。ご家族で来ていただいても、皆さんでゆっくり過ごしていただけるようなお店を作ることができたと思います。

そして、二子玉川店の魅力についてお話しするのであれば、私たちのお店そのもの以上に、来ていただいているお客様がとても魅力的だと思っています。

ファッションに対して意欲的で、理解も深く、自分自身のスタイルを持っている方が多いです。私たちが提供する「価値」に共感してくださっている方も、とても多いと感じています。

だからこそ今後もそういった方々に楽しんでいただけるような、量産的ではない、私たちなりのこだわりを持った商品を揃えていきたいと考えています。

 

―ありがとうございます。
では、最後に今後VALEURとして目指したいことを教えてください。

後藤:はい。僕は、新しい概念として「VALEURらしさ」を作ることです。
自分の勝手な解釈も入りますが、自分が学生だった頃、ファッションは今よりブランドごとの文脈やスタイルがはっきりしてたと思います。

例えば「マルタンマルジェラ」はアーティザナル期をはじめ、再構築やミリタリーの要素が強かったので、軍服やミリタリーの古着と合わせることがひとつのスタイルとして認識されていた。
一方で「ディオール オム」はエディの影響が非常に大きく、ロックのムードやスキニーを象徴とした細身のスタイリングが強く求められていたように思います。

当時は「このブランドならこう着る」というスタイルの派閥のようなものが今よりも明確で、気づけば自分自身も2つくらいのブランドを軸にしか服を選べなくなっていました。

それに比べ、ここ20年ほどで、ファッションはすごく自由になったと感じています。

今は、ブランドの文脈に合わせて着るというよりも、自分がかっこいいと思うもの、好きなものを、ブランドの垣根を越えて自由に組み合わせることが当たり前になってきた。
セレクトショップも、ブランドをそのまま見せるのではなく、シーズンのテーマや自分たちの解釈を通して「このブランドを自分たちならこう表現する」というスタイリングそのものに価値を見出しているように感じます。

ディスプレイにおいても、ブランドごとに商品を並べるのではなく、異なるブランドをミックスしてひとつの世界観をつくるショップも増えました。それも、ファッションの価値が「ブランドそのもの」から「どう組み合わせ、どう表現するか」というスタイリングへ広がっているからだと思います。

VALEURでも、同じように「VALEURらしさ」を売場や接客を通して表現していきたいと考えています。

―自由のなかで「VALEURらしさ」が表現された売り場。それをぜひお客様には楽しんでいただきたいということですね。

後藤:はい。単に「Cartierの時計」として見せるのではなく、タンクフランセーズをジュエリーのような感覚でも楽しんでほしいので、VALEURではあえてジュエリーと組み合わせて売場をつくる。
あるいはベニュワールとプルミエールのように、本来は異なるブランドやカテゴリーのものを組み合わせることで、これまでになかったスタイリングや見え方を提案する。

ブランドという既存のカテゴリーにとらわれず、その境界を少し広げてみることで、お客様自身にも「こういう楽しみ方があるんだ」と新しい発見をしていただけると思うんです。

単にヴィンテージのCartierやHermèsを買う場所ではなく、それらをどう身につけ、どうスタイリングするかまで含めて楽しめる場所。それが、VALEURが目指していることのひとつです。

 

―ありがとうございます。
は、遠藤さんお願いします。

遠藤:時々感じるのは、素晴らしい歴史を持つブランドは、長い歴史と広い認知度を持つがゆえに、どこかのタイミングで誤ったイメージや偏見がそのまま残ってしまっていることがある。それがゆえに本来ブランドが持ち合わせている価値が、少し違った角度から解釈されてしまう、ということです。

どれもただ高いだけのブランドではないのに、ブランドの根幹を知らないと世の中にある「ブランド物」という漠然としたイメージに引っ張られてしまいます。

ファッション感度が高い人ほど、そのブランドが持つルーツや背景を理解したうえで自分のスタイルに取り入れている。そして、ブランドについて知れば知るほど、そのルーツに近いヴィンテージに憧れを持つようになるのだと思います。


「美を意識する人たちが、持つべきもの。」
これは、CartierのMustシリーズが掲げたテーマです。

私たちもVALEURというお店を通して、お客様に「これは持つべきものだ」と思っていただけるように、これからもブランドの背景や歴史を大切にしながら、ひとつひとつの商品と真摯に向き合っていきたいと思っています。

 

―お二人ともありがとうございました。

ブランドが持つ価値や魅力を、VALEURらしい接客や売り場、商品構成で魅せていく。

VALEURにご来店の際は、商品のよさはもちろんのこと、こだわりのつまった“空間そのもの”をぜひお楽しみください。